先日、Xでこんな投稿を見かけました。
“From Vision to Execution: A Data Leader’s Guide to Snowflake Cortex Code” — Snowflake Consulting Managerとして企業導入の実践を発信
Snowflakeって最近AI系の発表が多いけど、そもそもどういう会社なんだろう?と気になって調べてみました。
創業の話がおもしろい
2012年、サンマテオでSnowflakeは創業しました。
創業者は3人。Benoit DagevilleとThierry CruanesはともにOracle出身のデータアーキテクト。もう1人のMarcin ŻukowskiはVectorwise(高速データベースエンジン)の共同創業者。3人ともデータベースのプロです。
Dagevilleのインタビューにこんな言葉がありました。
「クラウドは分析にとって奇跡だった。必要なときだけリソースを使い、終わったら返す。この弾力性がデータ分析には不可欠だった」
Oracle時代に「これじゃない」と感じた人たちが、ゼロから設計し直した。だからSnowflakeの設計はOracleの「こうだったらよかったのに」が詰まっている、というわけです。
経営スタンスも面白くて、Dagevilleはこう言っています。
「シリコンバレーにありがちな攻撃的なリーダーシップではなく、まず聞く。いいアイデアは、尊重し合う環境から生まれる」
技術者が技術者のために作った会社、という出発点が好感を持てます。
Frank Slootmanの時代
2019年にCEOとして就任したFrank Slootman。2020年にIPOを実現し、ソフトウェア企業として史上最大のIPOとなりました。
著書「Amp It Up」の思想が印象的です。
- 「ドライバーを集めろ。パッセンジャーはいらない」 — 自ら動く人を採用する
- 凡庸との戦い — 基準を上げ続ける
- 組織はフラットに — 誰でも誰とでも話せる環境
Slootmanは「成長請負人」と呼ばれていた人で、ServiceNowやData Domainでも同じやり方で成功しています。この時期にSnowflakeは「データウェアハウスの会社」から「Data Cloudの会社」にリブランディングしました。
現CEO Sridhar Ramaswamyの方向性
2024年にCEOに就任したRamaswamyは、元Google広告部門のトップで、検索エンジンNeevaの創業者でもあります。「AIの人」がDWHの会社を率いる、という面白い構図です。
2026年の発言がとても良かった。
「2026年は信頼性が目新しさを超える年になる」
「GPT-4のtalk-to-your-dataアプリケーションの信頼性は約45%。Snowflakeは90%台を達成し、99%を目指している」
派手なAI発表が多い業界で、 「確実に動くこと」を最優先にしている 。これは自分がデータ基盤を作るときのスタンスと完全に一致します。動かないAIより、毎日確実に動くダッシュボードの方が現場では価値がある。
もう1つの方針として、
「データをGoogleやMetaと同じレベルで真剣に扱える企業にする」
とも言っています。Brave Search APIの統合(リアルタイムWeb検索)やObserveの買収(AI監視プラットフォーム)、Google Geminiとの統合など、着実に進めている印象です。
3つの時代を通じて変わらないもの
| 時代 | リーダー | テーマ |
|---|---|---|
| 創業期 | Dageville & Cruanes | 「面倒くさいを解決する」技術思想 |
| 成長期 | Slootman | 「基準を上げ続ける」経営思想 |
| AI時代 | Ramaswamy | 「確実に動く」信頼性思想 |
一貫しているのは 「ユーザーが楽になること」を最優先にしている 点だと感じます。
まとめ
- Snowflakeはエンジニアが「こうだったらいいのに」を実現するために作った会社
- 今のCEOが「信頼性が最優先」と言い切っているのは好感が持てる
- 次の記事では、この思想がプロダクトの設計にどう反映されているかを見てみます