Frosty Fridayでの学び合いを見ていて、「こんな関数あったんだ!」という発見が共有されている場に触れました。コミュニティっていいなと。
ここまで11本書いてきました。Snowflakeの機能を調べ、Cortex Code CLIを触り、BigQueryとの比較もした。でも振り返ると、一番大事なのは技術じゃなかった。
シリーズの振り返り
11本を通じて見えたことを整理してみます。
| 記事 | 技術的な学び | それより大事だったこと |
|---|---|---|
| ①②③ DWH・Snowflake概要 | DWHの仕組みと設計思想 | 「なぜデータを整理するのか」の言語化 |
| ④ Cortex Code CLI | 自然言語でSQL | 「何を聞けばいいか」は人間が決める |
| ⑤ Time Travel / Cloning | やり直せる安心感 | 「壊しても大丈夫」が始める勇気になる |
| ⑥⑦ 地味な機能群 | SEARCH、HyperLogLog等 | 地味な改善が現場を変える |
| ⑧ AI Readyなデータ | データ整備の重要性 | AIの前にデータ整理が9割 |
| ⑨ dbt | 壊れないデータ基盤 | 属人化の解消 |
| ⑩ BigQuery vs Snowflake | 両者の比較 | 「どっちでもいい」が本音 |
| ⑪ Iceberg | オープン形式 | 「やめられる自由」が信頼 |
本当に必要だったもの
自治体・中小企業のデータ活用で見えた「本当に必要なもの」は3つです。
① 「何を見たいか」を言語化できる人
CDO的な役割です。フルタイムのCDOじゃなくていい。
「売上を見たい」じゃなくて、 「売上の何を、なぜ見たいか」 を言えるかどうか。この問いを立てられる人が一人いるだけで、データ活用の方向が定まります。
② 週1回でいいからデータを見る習慣
高機能なダッシュボードより、 週1回見る習慣 の方が100倍大事です。
月次レポートを年1回作るより、簡易ダッシュボードを毎週見る方が成果が出る。「習慣」はツールでは作れない。人がやるしかない。
③ 「わからない」と言える文化
「このデータの意味がわからない」と言える環境。「この数字、おかしくない?」と疑問を持てる環境。
あるお客さんの会議後に、担当の方が自分でNotebookLMを触り始めていました。好奇心がある人は伸びる。大事なのは環境と文化です。
ダッシュボードを作ったのに誰も見なかった話
過去に経験した失敗があります。
綺麗なダッシュボードを作りました。データも正確、更新も自動化。でも3ヶ月後に確認したら、 ログインした人が3人しかいなかった 。
なぜ見られなかったか:
- 「何を見るべきか」が共有されていなかった
- ダッシュボードの使い方のレクチャーだけして、「なぜ見るのか」を伝えていなかった
- 見なくても業務が回ってしまう環境だった
技術的に完璧でも、使われなければ意味がない。 「作る」の前に「なぜ見るか」を一緒に考える時間が必要 だと学びました。
コミュニティの力
一人で全部わかる必要はない。
Frosty Fridayでは毎週金曜にSnowflakeのチャレンジ問題が出題されて、「こんな関数あったんだ!」という発見が共有されている。dbt Tokyoではdbtユーザーの日本コミュニティが活発に情報交換している。
AIとコミュニティの知恵を組み合わせる時代です。ビジネス要件からデータベーススキーマを設計するプロンプトを共有している人もいて、こういう知識の共有が全体の底上げになる。
まとめ
12本書いてきて、一番の学びは 「技術は手段」 ということです。
SnowflakeもBigQueryもdbtもMetabaseも、使う人がいなければただのインフラ。
必要なのは:
- 「何を見たいか」を考えられる人が一人
- 週1回データを見る習慣
- 「わからない」と言える文化
その上で、ツールはちゃんと選ぶ。安心して使えて、やめたくなったらやめられて、壊しても戻せるもの。
そういう基盤を一緒に作れるパートナーを見つけてもらえたら嬉しいです。
このシリーズは、BigQueryメインのデータエンジニアがSnowflakeを触りながら書いた記録です。データ活用について相談したいことがあれば、気軽にご連絡ください。
横関 哲 — 株式会社DataBake